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夏合宿課題曲
「心して」


心して われから捨てし恋なれど
堰きくる涙堪えかね
憂さを忘れん杯の
酒の味さえほろ苦く


鶴次郎(花柳章太郎)、鶴八(水谷八重子)。
新派の当り狂言として昭和34年10月、千回上演記念を演舞場で催した。

新内語りで人気のあった二人は表向きは兄妹であったが、鶴八は先代鶴八の一人娘、鶴次郎は初代鶴八の愛弟子であった。
芸道への精進のあまり衝突することもあったが、二人は夫婦の約束をする。
鶴次郎の念願の寄席「鶴賀亭」を出す為のお金が以前、鶴八の縁談の相手伊予善から借りたものだと知った鶴次郎は「借りたら借りたと何故言わないんだ。俺に嘘をついて伊予善の妾をしていたんだ。」と言い捨て家を飛び出す。
二年後、高座もいいかげんで毎日やけ酒で酔いしれる鶴次郎の元を伊予善の若奥様となった鶴八が尋ね、6日間だけの名人会に一緒に出てほしいと頼む。
名人会に出演した鶴八鶴次郎は昔より一段と芸に錆が加わってきたと大評判になり、守田勘弥より「蘭蝶」の出語りにと声が掛かるほどであった。
ところが楽の日、鶴次郎は突然鶴八の芸が落ちたと難癖をつけ、鶴八を怒らせる。

その夜、上野山下「梅川」という腰掛茶屋で鶴次郎の短慮を戒める番頭佐平に
「芸がまずいと言わなきゃ、鶴八はまた芸人に逆戻りする。
あいつぁもう生涯舞台へは出ないで伊予善の奥様で幸福に死ぬだろう。
六日間の名人会が俺と鶴八の死に花だ。
俺はそれで本望なんだ。」
と涙を拭って盃を口にする。

相手の幸福を心から願って、吾から鶴八との恋を捨てた鶴次郎が、後から後から流れくる涙を堪えながら盃を干すところを唄ったものである。
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お休み
先生、すみません、明日のお稽古、時間的にちょっと無理そうなのでお休みします。
日曜日3時、日本橋にうかがいます。
なんだか、学校行事に追われ、今日久々に先生のブログを拝見したら小唄の世界が広がっていて・・・一瞬日常を忘れられました。
また、がんばりま~す^^
よろしくお願いします。

2010年05月20日 木曜日 22時08分 コメント編集
栗さん、了解でーす
日曜日お待ちしております。

できましたら早いお時間においでいただければと思います。
最近は3時頃いらっしゃると、押せ押せであまりお稽古時間が取れない場合が多くて皆さんに申し訳ないなぁと思ってます・・・。

合宿に向けたお稽古をしてますので、他の方のお稽古の時にでも知ってる曲でしたらお三味線で参加していただいてますので、お時間に余裕がおありでしたら、早めにお出でになることをおすすめ致しまーす。
芝鳳 2010年05月20日 木曜日 22時34分 コメント編集
新派ですね
先生、小唄の解説を沢山ありがとうございます。
芝居小唄、楽しみは2倍、3倍です。

鶴次郎の話は、こうして先生の文章を読むだけでも
泣けてきます・・・

「辰五郎」は菊五郎さんの華やかな舞台を見たのが
思い出されました。

ようやく体調も整ってまいりました。
今週は土曜日にうかがいますので、
どうぞ、よろしくお願いいたします。
2010年05月21日 金曜日 01時54分 コメント編集
それは良かったです
実際に舞台を見ていると、唄っていても場面が思い出されますね。

見てない方はご自分なりの想像で唄を構成するという楽しみもありますので、それぞれ工夫してご自分の唄を作っていくといいですね。

ブログ絵にも笠森おせんが登場する季節になったんですね。

いつもながらありがとうございます。

土曜日お待ちしておりま~す!
芝鳳 2010年05月21日 金曜日 09時23分 コメント編集
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