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夏合宿課題曲 「辰五郎」

英十三作  草紙庵曲


東雲の櫓太鼓や初がすみ
曙匂う紫に かすむ鳥居の芝育ち
神の恵みのかけまくも
引くに引かれぬ意地づくは
散らす火花も神明で
さかりを競う 花の春


「神明恵和合取組」(かみのめぐみわごうのとりくみ)
「め組の喧嘩」とも言われ、神の恵みとめ組をかけた喧嘩を芝居に仕組んだもので、五代目菊五郎の辰五郎が大好評だったようです。

当時名うての関取四ツ車大八、九竜山波右衛門と、め組の鳶の若い者がささいなことで衝突、そこに止めに入っため組の組頭辰五郎が散々罵倒されたのが引き金となり、角力とめ組との引くに引かれぬ面目を賭けた大喧嘩が始まります。

神明境内の花角力のハネを知らせる太鼓の音を合図にめ組は半鐘を打ち鳴らして角力小屋へ押し寄せ、待ち構えた角力と大喧嘩が始まりますが、顔役の炊出し喜三郎が喧嘩の中に入り、お月番の町奉行と寺社奉行の法被を示して喧嘩を収めるという筋。

火事と喧嘩は江戸の花と言われましたが、鳶と角力の大喧嘩も、和解の手打ちがすめば、それっきり「五月の鯉の吹流し」腹に一物も残さない江戸っ子の心境を唄いこめれば成功であろう。
と書かれています。

いなせな江戸っ子、町火消め組の辰五郎になって、粋に格好良く唄ってみましょう。  フフン!
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アナリーゼ
先生。課題曲の解説ありがとうございます。
先日、町さんが歌詞をノートに書き留めていらして「なるほど~」と思っておりました。
普段でも漢字は苦手ですぐカタカナにして書いてしまう史ですが、文字に意味を持つ日本の文化を再認識できました。
自分には全くといっていいほど接触の無かった分野でしたが、これまで習ってきたことも活かしながら少しづつでも小唄の世界を実感できるようにお稽古しようと思います。
先生のお手本テープの中に声の色が沢山あること!裏に沢山の物語が在ること。
じっくりゆっくり身に付けて行きたいと思っています。
史(ヒサ)です 2010年05月20日 木曜日 12時46分 コメント編集
じっくりゆっくり
譜面だと全部が平仮名なので、意味が分からずに唄ってることがありますよね。

今回の夏合宿は上調子のある曲中心ですので、どうしても芝居小唄が多くなります。

芝居小唄は漠然としたものではなく、時代も人物も特定されてますので、唄の世界を作り易いかもしれませんが、それだけ難しいとも言えますね。

じっくりゆっくりそれぞれの唄を味わってみましょう。
芝鳳 2010年05月20日 木曜日 21時59分 コメント編集
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